
2. この国との出会い
アルフレッド・ノーベル(ノーベル賞創設者)やイングリッド・バーグマン(映画女優)を産み、セルマ・ラーゲレーフ(『ニルスの不思議な旅』の作家)やアスリッド・リングレン(『長くつ下のピッピ』の作家)を育てたスウェーデン。
遥か昔、バイキングを祖に持ち、かつては好戦的な軍事国家とされた時代を経て、今では永世中立国を誇示する平和な福祉先進国へと変容してきたスウェーデン。
(中略)
私が初めてこの国を認識した時、あろうことか「いったいスウェーデン人は何語で話をするのだろうか」と考えた。もちろんスウェーデン人はスウェーデン語で会話をするのだが、それほどにスウェーデンという国は私にとって未知の地であったのだ。世界地図を広げても、スウェーデンがどこにあるのかもすぐには分からなかったほどであり、とにかく私のスウェーデンに関する知識といったら、自動車メーカーの“ボルボ”と音楽グループのアバ“ABBA ”くらいしか知らなかったのである。そうしたことは、おそらく私のみではなく、当時の多くの日本人の中で、北欧という遠い国を意識している人は少なかったように思う。
しかし、一度この国を見てしまうと、これほどに魅了されてしまう国も多くはないと思えた。特に私たちの世代は生まれた時からアメリカ文化に恩恵を受け、外国 = (イコール)アメリカといった感覚で育ってきたがゆえに、ヨーロッパの風の香りは実に新鮮さを極めており、たちまち私の心を虜(とりこ)にした。
(後半省略)

目次
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プロローグ
第一章 旅立ちの時

- ストックホルムの光と影
- この国との出会い
- 晴天の雲の下
- バックパッカー デビューの日
- 袖すれあう旅の縁
- 百年前の花屋は今も花屋
- 郷愁のガムラスタン散歩
- バルト海の夕暮れ
- 船室での一夜
- これぞ究極のアンティーク
- 古(いにしえ)の里スカンセン
- 過信は禁物-1[ストックホルム発・ボルネス行 列車での失敗]
- そして タクシー事件
第二章 解放の時

- 森と湖の都ヘルシングランド
- 森の木に抱かれて
- 静かなる自然の抱擁
- 小さな拷問
- 私は珍獣パンダ
- ダーラナへの道-左ハンドルのスリル-
- Kiren
- 故郷の色"ファールン"
- ダーラナの赤い道
- ダーラナホースに会いにきた
- ムース注意!
- 白夜の太陽
- 過信は禁物-2[ボルネス発・ルレオ行 またも列車での失敗]
第三章 静寂の時

- 北の国 ルレオでの再会
- 雪と氷のサマーハウス
- 白夜の国のサマーライフ
- 焚き火の日
- ガラクタ屋とスティーグ
- ミスター・ヤンネ と ミセス・イボンヌ
- 田んぼん中の"ラーダ"
- 中世の都 ガンメルスタード
- 余情つくせぬ古都への想い
- 流氷のささやきに心奪われ
- 最後の晩餐-ウルルン風-
- 白夜の車窓にて
- ストックホルムのスシバー
- 旅のおまけ["モスクワ"フシギ録]
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