2013/02/12
「にどわらし(二度童)」という言葉を聞いたことがある。人は歳をとると、もういちど子供に還っていくのだという意味だそうだ。
わが老母は今、まさにその「にどわらし」を満喫している。
ただ、かつて本当の子供であった時にように、思いっきり駆け回ることの出来ぬもどかしさのみは如何ともしがたく……。けれど、雪の中に遊ぶ彼女の笑顔は実に童(わらし)そのものだ。
腰が立たず、それでも雪の上を歩きたいと言う母のために、私がこしらえた雪車を押しながら、「これは良い……特許でもとろうか」などと半ば本気めいて喜んでいる母の姿は、どうやら他人さんの目にさえ天使のように映るらしく、擦れ違う誰もが声をかけて下さるのが有り難い。
そして、ふと思い出したように、遠い昔の事を話したり童謡を口ずさんだりして一人遊びを楽しんでいる。
▲子供用そりに押し車を括っただけの小さなアイデアではあったが、とても珍しがられ、TVのニュースインタビューまでやってきてしまった。
この度は、飯山の「かまくら祭り」と「雪まつり」の遊山に、北信濃を巡る小さな旅をしてきた。
途中、前からずっと行きたい思っていた「中山晋平記念館」「高野辰之記念館」などへ寄り道をして童謡に和み、小布施や須坂・高山村の古い街を歩いてきた。
行く先々で立ち寄る箱モノ施設のほとんどは、老母のおかげで無料観覧(あるいは半額割引)させていただけ、有り難いやら、申し訳ないやら……。
▲毎年、各町内対抗で雪像コンテストをしているらしいが、それにしても、この龍は圧巻であった。私は龍馬に心酔しているが、同様に、母は龍が大好きであるらしく、「こりゃー、札幌の雪まつりにも負けてないねぇ!」と(行ったこともないのに…)、撫で撫でしながら大はしゃぎの図であった。……(お振る舞いの)甘酒も美味しかったね!
▼かまくら祭りのイベント会場で、「飯山混声合唱団」の歌が披露された。最前席で手拍子をしていた母は、ついに雪舞台に担ぎ上げられ、一緒に「ふるさと」を歌い、福豆まきまで参加してしまった。
▼かまくら祭りの夜景と、名物「のろし鍋」。飯山特産の「みゆき豚」やキノコなど具沢山の「のろし鍋」とは……飯山・黒岩山に上杉謙信の狼煙台があった事にちなんでいるらしい。もちろん、この湯気も狼煙の如。
▼中山晋平(「シャボン玉」「ゴンドラの唄」などで有名な中野市出身の童謡作曲家)、高野辰之(童謡「故郷」の作者として有名な中野市出身の作詞家)、いずれの記念館でも、童謡唱歌が大好きだと言う母に、学芸員さんは「それじゃ、ぜひ歌ってください」と、オルガンを伴奏して下さった。ありがたや、うれしや。
▼一茶館にて……小林一茶 逗留の庵(移築・復元)。もう少し暖かければ、ここで少し昼寝でもしていきたいね!
▼江戸期から続く小布施の老舗「枡一市村酒造場」が営む和食レストラン、「蔵部=くらぶ」のカキフライは絶品中の絶品と言える。いつもはソースやタレをダクダクとかける私が、ひとつまみの塩とカボス汁だけの味に目を円くして驚き、納得した……否、感動した。山の中で出逢った海の幸は、たまの贅沢に相応しい逸品の食であった。
そして、冥土の土産に……と、舌鼓する母の図。
※ 私らは、カキフライの他に天ぷらと豚汁、それに小布施の栗がゴロンと入った栗おこわを戴いたが、もちろん、他にも美味しい料理が沢山あるみたいだ。
▲台風娘と異名される枡一市村酒造の嫁ごは、アメリカ出身のチャキチャキ女将。
この和食レストランの発想も彼女のものであるらしく、良い客寄せと町起こしになっているという。
セーラ・マリ・カミングス さん
「にどわらし」へのコメント2件
かまくら祭りでお会い出来ましてありがとうございました
よしこさんに盛り上げていただき会場も暖かな雰囲気でした。
ありがとうございました
ところで・・・・ 5月4日 飯山市で第30回 菜の花まつりがあります
菜の花公園にて 朧月夜音楽祭があります
飯山市のホームページから参加申し込みができますので
是非ご一泊なさって御参加いただければ幸いです
よしこさんのうたまた聞きたいです
(^-^)
大変申し訳ございません。
せっかくお便りをいただけましたのに、あろうことか、1年以上も気づかずにおりました。
このような、各ページに直にコメントを書き込んでもらうというスタイルは、どうも適切ではないかも知れないと反省しています。
うちのメルアドは、会社概要に記載してあるのですが、やはり分かりずらいですよね。(迷惑メール防止のため…と、HP製作会社がこうしてくれたのです)
それにしても、あの折は、こちらこそ有難うございました。
本当に、良い想い出になったと、老母も喜んでいます。
同じ長野県内なのに、以来、足が遠のいてしまい、残念なかぎりです。
また きっと、ご縁いただけますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
残間昭彦
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