1814年以来、永世中立国としての立場を保持しているスウェーデン王国は、積極的に世界平和の維持に貢献してきた。そのスウェーデンという国を歩く時、街のあちこちで、銃の筒をグニャリと縛ってしまった、シンボリックで面白いオブジェをよく見かける。
かつては、好戦的に近隣諸国との争いを繰り返していたこの国も、戦争がないことを当たり前とする国民の平和な暮らしが、すでに二世紀も続いている。
だから、かの地を訪れ、その人々と接する時、福祉や教育について論じ合う人はあっても、決して私利私欲の喧嘩をする人を見ない。皆、自由で穏やかな心を持った人たちが住む処なのだ。
第一、あれほど雄大な自然に包まれスローライフを満喫していれば、とうてい他人と争う気分になど成り得ないだろうと納得する。
ちなみに、第二次世界大戦終結の際、スウェーデン王室が日本の皇室とイギリス王室との橋渡しを担い、解決に寄与したという事実は歴史上あまり知られていないが好ましいエピソードである。
「白夜の風に漂う」より
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