安曇野平和芸術館
アマゾンの奥地に、文明をこばみ続け暮らすヤノマミという小部族が在る。「ヤノマミ」とは「人間」を意味する。そして自分たち以外の文明人を「ナブ=非人間」と呼ぶ。誰彼かまわず笑いかけ、他人への懐疑心や悪意というものを全く持たない彼等は「愛」という言葉を知らない。愛がないのではない。愛に溢れ、愛があるのが当たり前だから、愛という認識が分からない。ただ包容し慈しみあうだけのことに、「愛」などという俗語を持つ必要を認めないのである。言葉とはそういうものだ…。
例えば「自然」という言葉がある。そして、木や土や川のある処を私たちは自然と呼ぶ。ならば、都会はいかにも不自然ということになる。もし、原始に戻り、何処もかしこもが森や草原に囲まれるようになったなら、多分「自然」という言葉もなくなるのだろうか。ならば、「平和」などという言葉もいつかはなくなるに違いない。私は早くその日が来ることを願っている。
発起人 残間 昭彦
平和紀行エッセイ [八月の交響楽(シンフォニー)─忘れてはいけないことを忘れるために─]より
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