ゆうべ、晩酌をしながら、大河ドラマを観ていて……
斎藤道三が、息子・義龍に討たれたシーンに胸を痛めた。
ちょうど、昼間、「グッと!地球便」という番組を観た。
それは、海外で暮らす息子や娘へ、日本にいる親が愛情をこめたメッセージを送るというドキュメンタリー。
ところが、その当の息子本人は、親からの贈り物はおろか手紙すら受け取らず、「ずっと前に親とは決別したものと自分で決めたから……」と、笑みをする。
嫌いでも憎んでもいないのに……、そうして何十年も絶縁しているのだそうである。
その人は、ある国の政府の依頼により、現地国立高校の理事長や語学学校の校長を勤めるという立派な立場の人だ。
最後は、母の情にほだされて……などという涙の結末を想像し期待もしていたのだが、さにあらず。
うちの亡母がいつも言っていた……
「どんな立派スッパな人か知らんけど、人の心が分からんヤツは駄目だ!」
つい、怒りの涙が……
ずいぶん前、親しくしていた大工さんが、やはり、「故郷にいる両親のことを想うことなど全くない。心配とか愛しいなんて全然思わないし、たぶん一生会うこともないだろう……」と、言っていたのを思い出す。
今の奥さんや息子が現実の家族であり……。
考えてみれば、自然界の動物の多くはそうして巣立っていくのだろうけれど、やっぱり、人間はそうじゃいけないのではないかと思ってしまう。
その大工さんとは、その会話が原因ではないけれど、それからすぐ縁が切れた。
『親は十人の子を養えども、子は一人の母を養う事なし』
「親は何人もの子供を丹精つくし育てるが、子供はたった一人の母を思いやることもない」
という意味であり、親への感謝や労いを忘れがちなのが人の常だという苦言である。
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