2013/06/15
安曇野でちょうど20件めになるログハウス(Oさんの別荘)を創っていた。
(竣工後は、展示場として使わせていただける事をオーナー様より賜っている。)
ある日、3年前に建てさせていただいた、T.Kさんご夫妻が通りかかり声をかけてくださった。
「やっぱり、あんたのところで建ててたんだね。散歩で通りかかるたび、きっとそうだろうと思って見ていたんだよ。」と……。もと大学の先生だというT.Kさんは、あいかわらず気さくな人である。
おはるかぶりです……そういえば、T.Kさんのお家も、すぐご近所だったですね……。
と、しばし立ち話をしていると、「そういえば、最近、ドアの開け閉めがちょっとシブくなってきたのよね……」と、奥様。
「まぁ、建具も天然の木ですから、膨れたり痩せたり忙しいものですよ……」。
と、いうわけで、今日は現場仕事を少し早く切り上げ、Tさんお気にいりの木村大工さんを伴い様子を見にうかがった。
不具合はすぐ直り、ご夫妻は満面の笑顔で「良かった、良かった。これで安心だ……」と喜び、「さぁさぁ晩飯でも……」と、遠慮する隙も与えぬように私らをドアの内へいざなった。
食前酒ならぬ食前野菜ジュースをいただきながら、おしゃべり上手の木村大工さんがたずねた。
「ところで、住み心地はどうですか……」。
自分が創ったログハウスを誇らしげに眺め、愛おしんでいるようだ。
「もう、最高だね。やっぱり、壁も床も全部、天然の木っていうのが良いよね。冬も冷たくないし、夏は足ざわりが良いし……」と、両の足を床にスリスリさせながら、T.Kさんは私たちが思ってもみなかった名言を発した。
「3年たって、いよいよ良い感じになってきた気がするね。この家は、どんどん成熟してきているって感じだよ……。
太い丸太んぼのログハウスも格好いいけどさ……、なんだか住むだけで、頑張って、強い力を持たなけりゃ住めないみたいな感じで疲れちゃうんだよね。その点、スウェーデンのログはすっきりしてて好きだねー」。
成熟…、という言葉に、私と木村大工さんは感嘆し、大きくうなづいていた。
うちのログばかりが良いなどと言うつもりは毛頭ないのだが、何故だかうちのお客さんは、どうも中毒的(?)にスウェーデンのファンになってしまう方が多い。
ともあれ、いつまでも奇麗に大事に住んでいただけて嬉しいかぎりだ。
こうして、 お孫さん……その先ずっと、100年後200年後のご子孫にも喜んでいただけるような家づくりを、これからもしていきたいものだ。
▲まろやかな中に、わずかトマトテイストの酸味を感じる美味しいカレーをいただき、満足・満腹でございました。
コメントをつける